就活生へ。面接で評価される自己PRについて考えてみた。
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最終更新日:2017/03/20
雑感・よもやま話
就職活動が活発になる時期がやってきました。私にも最近OB訪問や、務めている会社の就活生との質問会に参加するなどの機会が増えてきています。
就活生との質問会で、学生から「どういった自己PRが評価されるのでしょうか?」と直球な質問を受けたのですが、この質問について自分が就活生だったときと、社会人になってみてからの経験(新卒採用に関する仕事の経験もふまえて)で思うことを書いてみたいと思います。
就活生が面接で評価される自己PRとは?
自己PRで大事なことに入る前に、一つ、「面接でのある事実」を書いておきたいと思います。それは、面接官は学生個人個人の自己PRの内容については、「9割がた覚えていないし、覚える気もない」ということです。
「そんなのヒドイ」と思われるかもしれませんが、これは紛れもない事実だと思います。ほとんどの学生が頑張って考えた自己PRは面接官に覚えられていません。これは面接官がやる気がないということでなく、当たり前のことです。
新卒採用担当の面接官は就活の時期になると、数百人以上の学生と接触します。大企業では、多いときに、一日に50名以上の学生と面接をすることもあると聞いたことがあります。そうなると、学生が一人ひとり話した内容は、覚えられるわけがありません。
しかし、面接で合格するには、面接官の「印象に残る」必要があります。上記の事実がある上で、面接で話す自己PRについて大事だと思うことを書きたいと思います。
自己PRは強みを物語るエピソード部分が重要
就活本などで、よく書かれている自己PRには、必ず「私の強みは●●です、なぜなら~」みたいな形で書かれています。これはこれで、良いのですが、実は「強みは●●です。」の部分はあまり重要ではありません。ぶっちゃけ「強み」の部分は何を言おうが評価を左右するものではないです。
大事な部分は、その強みを持っていることを説明する、「なぜなら~」以下のエピソードの部分。ここが面接の評価を左右するポイントです。フィギュアスケートで例えれば、トリプルアクセルのジャンプの部分と同じくらい重要です。
では、どういったエピソードが「合格しやすい」のでしょうか。
面接官が興味を持ちそうな具体的な行動にフォーカスしてエピソードを話す
面接で合格するには、冒頭で「面接官の印象に残る」ことが重要だと書きました。「印象に残る」ためには、当たり前ですが、「興味がそそがれるエピソード」でないといけません。そうでないと、面接官の印象に残り、合格候補者の一人として名前を挙げられることはまずないと思います。
「サークル長としてリーダーシップを発揮した」、「ゼミで●●の論文を書いた」だけで終わるありきたりのエピソードでは、面接官の印象に残るわけがありません。少し、普通とは違った着眼点を入れてエピソードを話す必要があるのです。
予め、誤解がないようにここで言いたいのは、何も「ものすごい特異な経験をしていることが重要」というわけではありません。もちろん、「学生時代にアプリを開発して、100万ダウンロード達成されて、ネット起業から買収の提案をもらった」みたいなエピソードをリアルに持っていれば、確実に印象に残ると思いますが、99%の学生はそんな特異な経験はしていません。
そうではなく、「あなた独自のどういった視点や興味で行動をしたのか?」という点を語る必要があるということです。
例えば、サークル長をしていたのであれば、どういう部分にポリシーを持っていたのか、そしてそれは具体的にはどういう行動をおこしたのか?(ここの行動部分がユニークだと尚可)ということをエピソードに盛り込むと良い自己PRになります。
「サークル長を3年生から2年間経験しておりました。サークルの結束力が高めるために、積極的に声掛けするなどし、悩みを持っていそうな後輩がいたら、飲みに連れて行って話を聞くことなどをし、チームをまとめ上げてきました」
このPRどう思いますか?ぶっちゃけ普通すぎて全然面白くないし、面接官の印象にも残りそうにないですよね?
誤解がないように繰り返し言いたいのは、上記の考えや行動内容が悪いのではなくて、フォーカスしている部分が無さすぎて全体的に何の特徴もないエピソードになってしまっている点がマズイのです。
これでは、面接官は「この学生にもっと質問してみたい」と思うはずがありません。
上記を直すとすれば、「結束力を高めるために、褒め合い新聞の発行を企画しました。褒め合い新聞というのは、毎週一人ひとりの良かった行動やエピソードなどをA4一枚の紙にまとめた情報誌です。これを毎週別々のメンバーにスポットをあてて配ることで、チーム内でメンバー同士にも興味を持つようになり、自然と結束力の高いチームになっていきました。…」のような形で、面接官が興味を持ってくれそうな具体的な行動の一つにフォーカスして語ると、より良いPRになるのです。
これを聞いた面接官は、「褒め合い新聞?なんだそれは?」、「新聞の運用は大変だと思うがどう工夫したのかな?」のように、少しでも興味を持ってもらう可能性が出てきます。少なくとも、「声掛けをして、結束力を高めた」よりかは、100倍可能性が出てくるPRになると思います。
フォーカスする部分は一つにする
もう一つ大事な点は、自己PRで話したい「アピールポイント部分」は一つにすることです。上記で書いた例で言うと、「褒め合い新聞の発行」に絞って、話した方が良いです。
一つにする理由は、一つでないと「面接官は覚えられないから」です。
自己PRはPRというように、商品PRなどと似たようなものです。要は「自分という商品のPR」なのです。マーケティングの世界でも、商品PRで伝えたいことは一つの方が広告効果が高いと言われています。
「吸引力の変わらない掃除機」
「100人乗っても大丈夫イナバ物置」
のように、すぐれたPR文は伝えたいことが一つにシンプルにフォーカスされています。
面接では、つい色々とエピソードを話したくなってしまいますが、できる限り「一つ」の最も自分が話せる、相手が興味を持つといわれる具体的な行動に絞って、PRを作るとより合格可能性の高い自己PRになります。
私が就活生時代に話した自己PR
最後に、必要ないかもしれませんが、私が就活生時代に話したPRを紹介させてください。
私は就活生時代、基本的には多くの学生と同様に人気企業ばかりを受けていました。食品メーカーや広告代理店などなどです。
自己PRは就活の前半は、「ゼミの論文で賞を獲った」というエピソードを話していました。「論文で賞を獲った」のは事実なのですが、賞をとるために、自分がどういう行動を起こしたのかという部分について、あまり人に興味がそそがれるような内容でPRができていませんでした。その結果、前半部分のエントリーシートや面接はほぼ全滅していました。。。
考えてみれば、当たり前です。学生で「論文で賞を獲った」と話す人は非常に多そうです。賞なんてたくさんありますし、本当に権威のある賞を理解している人事担当者も少ないでしょう。その中でも特別に目立つためには、本当にもの凄い賞か、行動エピソードが無いと面接官の目にとまることはありません。つまり、「論文で賞を獲る系」の話題は競争率が非常に高くて、ちょっとやそっとのエピソードでは面接官の興味を向けることは難しいのです。
これでは、イカン!ともう一度考え直し、今度は「面接官に興味を持ってもらう」ように、自分が学生時代に経験した中で、一つユニークな行動は何かないかと考え、それ一本でPRを練り直しました。
そこで考え直した結果、「スーパーマーケットでのアルバイト」での経験を自己PRにすることにしたのです。「スーパーでの経験」は地味すぎて、個人的には全くアピールにならないと思っていたのですが、逆に地味だからこそ、他の学生でもPRとして話題に出されにくいのではないか?と考えました。
そして、「スーパーマーケットは男のアルバイトが多すぎて、バイトメンバーがいつも暗いので、女子大生のアルバイトを入れて、店を明るくしたエピソード」を話すことにしました。これを話せば、「どうやって女子大生にスーパーのアルバイトに興味を持ってもらったの?」とか聞かれて可能性が出てくると感じたのです。
狙いは的中し、エントリーシートはほぼ通るようになり、面接でも面接官が興味を持って質問してくる頻度が高くなり、自然と合格率が上がりました。そして結果として、何社かの企業の内定をいただき、その中の一つの企業に現在も勤めています。
以上、私が個人的に自己PRを良くするために重要だと思うことについて書いてみました。
繰り返しになりますが、自己PRのポイントは「面接官が興味を持つような、具体的な行動の一つにフォーカスすること」です。「興味を持つような行動をいっこもしたことがない!」という方は、自分でそう思っているだけです。絶対に、人が聞きたがる行動の一つや二つは4年間の間に何かしら起こしているはずです。
「それでもやっぱりない!」という方は、就活は厳しいかもしれません。。。企業はそんな何もしたことが無いような人を採用する理由が無いからです。。。
自分の趣味や勉強、友達づきあい。なんでもいいので、何かの問題を解決したり、何かを改善しようとしたときに自分が工夫したエピソードを一つだけ(できる限り人が興味を持ちそうなエピソード)でいいので、それを軸に自己PRを作ると非常に合格可能性が高まると思います。あくまでも、私が個人的に感じたことなので、どれほどの効果かはわかりませんが、、、ご参考までに。
↓は私が就活生時代に繰り返し読みまくった面接対策本。オススメです。
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