晴れの日に傘を売る方法

公開日: : 最終更新日:2017/03/20 書評

以前はAmazonで本を買う事が多かったのですが、最近は書店をブラブラして気になるタイトルがあったら買うようにしています。

その方が、色んな発見がありより視野が広くなるのではと感じたためです。

 

そして、先日書店をブラブラしていると気になるタイトルを見つけました。

 

「晴れの日に、傘を売る。」

 

なんだこれは、本当にそんな事が可能なのか?と思わずタイトル買いしてしまいました。

読んでみたところ、これが本当に当たりの一冊だったので紹介させていただきます。

 

 

「晴れの日に、傘を売る」書評

著者はシューズセレクションという企業の社長、林秀信さんです。

この企業私は全く聞いたことがなかったのですが、なんと日本の傘業界のシェアNo1企業らしいです。

 

傘は日本で年間1億1、100万本売れるみたいなのですが、シューズセレクションの傘がそのうちの17%を占めています。

 

「waterfront」というブランド名の傘だと聞いたことある方が多いのではないでしょうか?

よくコンビニや雑貨店で売られている小型のカラフルな傘です。おそらく一本は持っているという方も多いはず。

 

<waterfrontの傘>

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引用:waterfront公式サイト

 

シューズセレクションはその「waterfront」を開発・製造している傘メーカーなのです。

 

この企業と、林社長はなんでもっと注目されないんだ?と思うほど、素晴らしい内容が盛りだくさんだったため、いくつか書きたいと思います。

 

 

社長の野望:人類を傘から解放したい

まず社長の野望が凄いです。傘メーカーの社長からすると一見矛盾する野望を掲げて傘の開発に取り組んでいます。

 

via15
朝出かけるとき、ほとんどの人が天気予報を見て、「今日は雨が降らないか」「傘は必要になるか」をチェックしているのではないでしょうか。僕は、その必要がなくなるような傘をめざしているのです。

ポケットに入るくらい小型で、いつでも携帯できる傘があれば、雨が降るかどうかをいちいち気にしなくてすみます。また、突然雨が降ってきても、傘をポケットからひょいと取り出せば濡れずにすむでしょう。

しかも、雨がやんで傘をしまうとき、手で畳まなくても自然に元の形になったら、すごいと思いませんか?そんな「万年筆くらいの大きさ」の「折り畳み傘」が、僕の目標です。

 

この考えに私は本当に感銘しました。

傘メーカーというと、おそらく「濡れない傘」「軽い傘」のように、まずは傘ありきで開発を考えてしまうのが普通だと思います。しかし、林社長は「傘を気にするということ自体を忘れさせる」「傘を人類から解放する」ことを最終目標にしています。

 

確かに傘っていちいち持っていくのは面倒です。天気予報もチェックしてられないですよね。

「今日って傘必要?」ってコミュニケーションがなくなったらよりストレスがなくなると思います。

 

ポケットサイズで財布のようにいつでもカバンにあれば、本当に天気予報や傘チェックが脳みそから離れて、人類はより快適な暮らしをできますね。いやあ傘メーカーの神髄とも言えるこの考え方に感銘しました。

 

そして、開発されたのが「waterfront」の「スーパーポケフラット」や「ポケミニ」という脅威の小ささ、薄さの折りたたみ傘なのです。

 

ちなみに「スーパーポケフラット」は5段折でスマホくらいの大きさです。

 

しかし、この傘もまだまだ完成ではないようです。社長の最終目標は「万年筆サイズ」の傘を作ること。そして片手で折り畳めることみたいです。そんな便利な傘があれば、本当に「傘を持っていくべきか?」という人類がずっと気にしていた概念が無くなると思います。

 

 

 

500円で売る。価格を決めてから開発という手順。

この「waterfront」の折りたたみ傘シリーズはなんと500円という価格なのですが、これは当時は革命的な価格だったようです。

それまでの折りたたみ傘は約3、000円ほどだったのですが、そういった従来品よりも小さく頑丈でいて価格は500円。傘業界に激震が走ったのは間違いありません。

 

via22

どうして500円なのかというと、当時のタクシーのワンメーターが600円くらいだったので、それより安くしたいという思いからです。つまり、値段が先に決まっていたのです。

(中略)「500円で、ここまでいいものができますよ」ということを、たくさんの人に見てもらいたかった。500円で、何度も使えて、かさばらない、質のいい折り畳み傘が手に入るのですから、いいと思いませんか?

 

すごいですね。タクシーの初乗りより安くしたいから500円。そして高品質な傘が500円で買えると消費者が最高に喜ぶと違いないと思ったから、500円にしたと。徹底的に顧客のバリューを考えなければ出てこない発想だと思います。

 

 

売り場をデザインする。アソート販売という納入方式。

傘を買うときは、雨の日が多くて、基本的にビニール傘がずらっと並んで楽しいと思うことはまず無いと思います。林社長はそこに目をつけ、傘を選ぶときにも楽しくなる、心が踊るように、傘のカラーバリュエーションを190色以上そろえて、売り場がカラフルになるように納入しているのだそうです。

 

びっくりしたのは、その納入ルール。普通は小売店は売れ筋の色(黒や紺など)の単色を大量に納入したいはずですが、林社長はそれでは売り場に「消費者が選ぶ際に楽しさがなくなる」ということで、小売店の単色のみの納入は断っているのです。

 

190色の中で、何十色かの組み合わせセットが用意されており、そのセット全体でしか納入ができないルールをしいているのです。セブンイレブンなどのコンビニ店でもそのルールを飲んでもらっているとのこと。

 

結果として、売り場が明るく綺麗になり、消費者の目にも止まりやすくなり「晴れの日でも売れる」のだそうです。

 

via30

シューズセレクションの傘は、500円・1000円という値段だけでなく、カラフルな品ぞろえも大きな特徴です。店頭にずらりと並んだ色とりどりの傘を見て、雨の日でもないし、傘を買うつもりもなかったのに、つい買ってしまった、というお客さまのお話を聞くと、とてもうれしくなります。

 

マーケティングは本当に奥が深いですね。。。「晴れの日でも、傘を売る」にはこういった逆転の発想が必要ですね。

 

 

凄い!社長の経歴。整体師⇒飲食点オーナー⇒靴メーカー社長⇒傘メーカー社長

また、社長の経歴も最後の方に記載されているのですが、凄い異質な経歴の持ち主です。

20代のときに上京して、東洋医学の按摩マッサージ師の資格をとり、そのまま整体師として治療院を開業します。

 

その治療院が大ヒットし、予約でずっと満杯になる治療院に成長します。

 

しかし、若くして急に成功しすぎたからか、いつからか「このままマッサージ師で人生を終えること」に疑問を感じ、スパッと治療院を辞め、飲食店を開業したのです。

 

その飲食店も大ヒット。「サンドケーキ」という過去に大ブームになった食べ物を世に出したのもこの林社長です。

 

その後も、飲食店だけでは物足らず、長時間立ち仕事をする人向けの業務用の靴を開発。これもヒットしましたが、まだ自分の中でしっくりこず、昔から手がけたいと思っていた傘業界にチャレンジすることにしたのです。

 

本当に凄い人ですね。。。なんでもっと有名じゃないのでしょうか?私がしらなかっただけかもしれませんが。。。

 

 

日々の暮らしの中に、ヒントはたくさんある。誰も解決していないなら、自分がやればいい。

この社長の凄いところはやっぱり行動力だと思います。

飲食店もこうしたら美味しいのでは? 靴も自分の飲食仕事の体験で不便を感じていたから開発したのだそうです。傘もそうです。

 

日々、暮らしていると確かに、「もっとこうだといいのになあ」と何かに物足りなく感じることは多いです。

そのとき多くの方は「ただ思うだけ」で終わってしまいます。私もそうです。

 

しかし、林社長が凄いのはそこで終わらないことです。どうしたら解決できるか?どうしたらこの問題で困っている人に最適なバリューが発揮できるか?を徹底的に考え行動しています。

 

それが様々な業界での活躍を生んだのだと思います。

 

日々の「もっとこうだといいのになあ」という事にヒントはある。仕事でもプライベートでも。

そして、そう思ったら自分でできないか?を考えてみてる。そういう思考のクセをつけるだけでも何か変わりそうですよね。

 

私もこの本を読んで、そう癖付けたいと思いました。

 

その他良い事たくさん書いてあるのですが、紹介しきれないので、後は気になった方は買って読んでいただくことをオススメします。

シューズセレクションという会社のことや社員のこと、社訓のことなどたくさんタメになることが書いてあります!

 

______________________

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  • 本ブログの著者:なかまるすみよし

    1981年生まれです。

    都内の某私立大学を卒業後、都内の大手企業へ入社し、横浜市で勤務継続しております。

    幼稚園児の娘、同年代の妻と3人で暮らしおり、
    27歳で住宅ローンを利用した「賃貸併用住宅」で不動産投資を始めることを家族で決意しました。

    不動産投資については全くのド素人です。

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